毎日の料理に欠かせない塩、スーパーに行くと棚にたくさん並んでいます。
最近は食事に気をつける人がさらに増えてきて、ミネラルがたっぷり入った天然塩にも注目が集まってきています。
だけど、正直見た目だけじゃどれが天然塩かわかりにくい……
そこで今回は、天然塩の特徴や見分け方をわかりやすくお話ししていきたいと思います。
- 天然塩の見分け方
- 塩の種類
- おすすめの塩
ちなみに、おすすめの天然塩を1つ先にご紹介します。
後半ではこの商品に加え、さらに2つのおすすめの塩についてまとめています!
普通の塩や加工された塩との違いを知って、本物の天然塩を選べるようになり、健康的な食生活を送りたい方の参考になれば嬉しいです。
天然塩の素敵なところや、お店で見分けるコツをこれから一緒に見ていきましょう!
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【結論】天然塩の見分け方は?
結論から言うと、
実は、表のパッケージだけでは天然塩かわかりません。
原材料名 + 工程 + 栄養成分表示で確認する必要があります。
表のパッケージには、「〇〇の塩」、「いそしお」、「にがり」、「海の恵み」、「粗塩」……と、天然と思われるようなキーワードが並んでいます。
しかし、それだけで判断は出来ません。
天然塩の見分け方がわからない頃は、天然塩だと思っていたら、実は精製塩だったという事もよくありました。
※「まずは、おすすめの天然塩を知りたい!」という人は、〚おすすめの天然塩3選!〛をクリックすると該当箇所に飛べます!
塩には種類がある
※ 画像はイメージです
詳しい見分け方を説明する前に、塩の種類について確認していきましょう。
塩は製造方法の違いで下記の3つに分けられます。
それでは見ていきましょう!
天然塩
天然塩とは、海水など自然に存在する物から作られた塩のことで、ほとんど加工されていない塩の事をさします。
ただし、今日では自然塩、天然塩という名前は食用塩公正競争規約(平成20年4月)で禁止され表示する事が出来ません。
日本では「天然塩」という表現が食用の塩の表示において使用できなくなったという点で、天然塩という名前の商品が市場から姿を消したように感じられるかもしれませんが、実際に「天然塩」として作られていた塩そのものが製造できなくなったわけではありません。
これらの表現が禁止された理由は消費者に誤解を与える可能性があるためです。
代わりに、より具体的で正確な表示が求められるようになりました。
表示は「海水(産地)」「岩塩(産地)」「湖塩(産地)」だけで、添加物は入っていません。
工程、つまり作り方も化学的な手法は取らず、出来るだけ天日干しなど、昔ながらの製法で作られています。
戦後長らく、日本では塩は国が管理していて、ミネラルが少ない精製塩しか手に入りませんでした。でも1997年に、塩の専売制が廃止されて、昔ながらの方法で作られた「天然塩」が復活しました。
ただ、現実は今でも外食や加工食品のほとんどは精製塩を使っています。つまり、普段の食事だけでは塩からの十分なミネラルを摂取できていないのが現実です。
天然塩には、私たちの体に必要なミネラルが自然に近いバランスで含まれています。
精製塩
精製塩とは、原料は天然塩と同様海水など自然に存在する物から作られていますが、化学的に生成され純度が高く不純物が含まれていません。味は均一ですが、天然塩に残っているようなミネラルは含まれていません。
第2次世界大戦で敗戦国となった日本では、政府の指導の元、伝統的な天日干しによる塩作りから、塩化ナトリウム純度の高い精製塩へと転換されていきました。
1971年の「塩業近代化臨時措置法」という法律が作られ塩の生産は政府の管理下に置かれ広く普及していきました。
再生加工塩
再生加工塩とは、原料に天日塩が使われていたり、うまみ成分やその他の添加物が加えられていたりします。
外国から輸入した天日塩に海水やにがりなどを加えて加工したり、精製塩に添加物を加えて味を良くしたり、ミネラルを添加したり加工し直して作った塩のことを言います。
スーパーで確認すると、再生加工塩は意外に身近にたくさんある事に気が付きます。
【解説】天然塩の見分け方
それでは、天然塩の見分け方について詳しく解説していきます。
さっそく見ていきましょう!
天然塩の見分け方【原材料名】
原材料名の欄には、原料と産地、添加物などが記載されています。
天日塩の場合は、海水、岩塩、湖塩などの自然由来の原料が記載されています。
()内には産地が記載されており、産地が複数ある場合は、多い順に記載されています。
例として、「原材料名:海水(宮古島)」や「原材料名:岩塩(パキスタン)」のように記載されています。
海に囲まれた日本は、日常に使うには体にも日本料理にもなじむ海水から作られた塩が良いと言われています。
岩塩や湖塩は、産地によってミネラルバランスが海水と異なるため、味わいも違います。
料理に合わせて使い分けるのも楽しいと思います!
精製塩や加工塩も天然塩と同じく海水(産地)、岩塩(産地)、湖塩(産地)だけで作られた物もあるので、原材料名だけでは天然塩を見分ける事は出来ません。
ちなみに、原材料名の所に「天日塩」など既に加工してある塩が書いてあったり、塩化マグネシウム(にがり)などが書いてあったらその時点ですでに「天然塩」ではないと判断できます。
天然塩の見分け方【工程】
工程は塩を作るために行う過程を記してあります。
ここで判断する事は、
・化学的な処理や、人工的な添加物を加えていないか
・自然の力を活用して、伝統的な方法で作られているのか
を確認します。
工程を表示する用語として次の16の用語が定められました。
濃い塩水を作る工程
1) イオン膜:海水中の塩分をイオン膜を利用して濃縮する工程。塩分が約18%まで濃縮される。
2) 逆浸透膜:海水中の塩分を逆浸透膜を利用して濃縮する工程。海水から真水を作る時に出る濃い海水(塩分6%)を利用。
3) 溶解:天日塩、岩塩などを水や海水に溶かして濃い塩水を得る工程。
4) 浸漬:「藻塩」を作る工程で、海藻等を塩水に浸し、海藻の旨味成分を溶出させる工程。
濃い塩水を作る工程 + 塩を結晶させる工程
5) 天日:塩田等で、太陽または風力といった自然エネルギーを利用し、水分を蒸発させる工程。
塩を結晶させる工程
6) 平釜:形状に関わらず、密閉されていない釜で煮つめて塩水を濃縮または結晶化する工程(できる塩:フレーク、凝集など)。
7) 立釜:完全密閉型蒸発缶を用いて、減圧または加圧状態で加熱蒸発させて、塩水を濃縮または結晶化する工程(できる塩:立方体)。
8) 噴霧乾燥:海水または塩水を噴霧して、その液滴を濃縮または結晶化する工程(できる塩:微粒)。
9) 加熱ドラム:海水または塩水を加熱した金属板に吹きつけて結晶化する工程(できる塩:微粒)。
塩の品質、性状を整える工程
10) 乾燥:塩の結晶の水分を蒸発させて水分を取り除き、サラサラにする工程。加熱、減圧、除湿乾燥を含み、天日乾燥は含まれません。
11) 粉砕:塩の結晶を粉砕して小さくする工程。
12) 焼成:「焼塩」を作る工程で、塩の結晶を加熱することによって成分を変化させて、サラサラにする工程。380℃以上の場合は「高温焼成」、380℃未満の場合は「低温焼成」と記載することがあります。
13) 混合:添加物を加える、または違う塩を混合する工程。
14) 洗浄:水または塩水で、塩の表面を洗う工程。
15) 造粒:塩の結晶を加圧または添加物を加えて成型する工程。
岩塩や湖塩を掘り出す工程
16) 採掘:岩塩または湖塩を掘り出す、または採取する工程。
引用元:食用塩公正取引協議会 用語解説 工程用語より
イオン膜、逆浸透膜、溶解、浸粒、立窯、噴器乾燥、加熱ドラム、乾燥、粉砕、焼成、混合、洗浄、造粒という工程が入っているとそれは、精製塩か再生加工塩です。
天然塩は、天日、平釜など化学的な処理ではない方法で作られています。
ただし、例えば「天日、立窯」など人工的な工程が含まれるとそれは天然塩とは言えません。
天然塩の栄養成分表示
天然塩の栄養成分は産地や製法よって異なりますが、海水から作られた塩100g当たりの栄養成分はおおよそ下記が目安です。
この値くらいあると天然塩の可能性が上ります。
岩塩は海水より産地でのばらつきが大きく、数値的には難しいのですが、岩塩100gあたり、塩化ナトリウム(塩)が80~98g程度で、マグネシウム、カルシウム、鉄などのミネラルも含まれているかを確認します。
塩製品の表面の商品名や用語では判断が付かない
塩製品の商品名などを見ていると、天然塩と思ってしまうこともあります。
しかし、原材料と工程と栄養成分表を併せて確認しないと判断は尽きません。
商品名に「〇〇の塩」とあっても、再生加工塩のことがあります。
キャッチフレーズには、「にがり」「いそしお」「あら塩」「そのまま」「天日塩で作られた」など、天然塩と思えるようなフレーズが並んでいます。
ちなみに、「そのまま」と書いてあった塩を確認してみると、再生加工塩だったし、
「天日塩で作った」と書いてあった塩は精製塩だったこともありました。
商品名やキャッチフレーズだけでは天然塩の見分けはつかないので、原材料や工程、栄養成分表示で確認する必要があります。
なるほど!おすすめの天然塩も知りたいな!
おすすめの天然塩3選!
ここまで、天然塩の見分け方について解説してきました。
この記事を読む前と比べて、少しでも見分け方がわかるようになったと感じていただけたら嬉しいです。
ただ、具体的な天然塩の商品を知りたい方もいらっしゃると思いますので、ここからはおすすめの天然塩をご紹介します。
下記に特徴をまとめた表を作ってみました!
商品名 | 一言ポイント | 原材料名 | 工程 | 製造者 |
---|---|---|---|---|
海の精あらしお | 復活した日本の伝統海塩 | 海水(伊豆大島近海) | 天日、平窯 | 海の精株式会社 |
天然塩あまび | 生活習慣病と戦う店ササヤ | 海水(沖縄県100%) | 天日、平窯 | 株式会社ササヤ(旧株式会社アジアンモーターズ) |
粟国の塩 | いのちは海から | 海水(沖縄県粟国島) | 天日、平窯 | 株式会社沖縄海塩研究所 |
※ 比較表はそれぞれのHP等の商品情報を参考に作成しています
※ 製法等異なる可能性もありますので、詳しくはHPをご確認ください
上の表の商品名をクリックすると、記事内の商品紹介箇所に移動します。気になる商品があれば、ぜひクリックしてみてください。
海の精あらしお
「海の精あらしお」は、80種類以上の元素を含む海水をそのまま濃縮して作られた、生命維持に必要な無機元素を豊富に含む塩です。
そのため、ただ塩辛いだけではなく、バランスの取れた無機塩類によって、ほのかな甘みや旨みを感じる独特な風味が特徴となっています。
この「海の精あらしお」は、かつての塩田が全廃された後に始まった「自然塩復活運動」の一環として、厳しい塩専売法の規制と闘いながら復活を果たしました。
自然の力を活かした製塩へのこだわりから、今日に至るまで多くの人に支持され続けています。
天然塩あまび
「天然塩あまび」は、シンプルな素材と製法にこだわった、身体と心の健康をサポートする塩です。
ある日、突然脳梗塞を発症したことをきっかけに、「食・身体・精神性」の3つが揃ってこそ真の健康が得られることに気づき、そこから誕生したそうです。
この「天然塩あまび」は、よりきれいな海水を求めて沖縄近海で採水され、昔ながらの昭和30年代に主流だった流化式塩田を用いて、太陽と風の力でじっくり海水を凝縮させています。
また、平窯の素材にはステンレスが使用され、フッ素樹脂は一切使っていないため、より安心して使うことができます。
名前の由来は、自然の恵みを舌で感じ、五感を刺激する天女のような味わいを感じることから名付けらられたそうです。
また、放射能検出ゼロ(財団法人日本食品分析センターによる検査済み)という安心感も、この塩の特徴のひとつです。
粟国の塩
「粟国の塩」は、塩本来のあるべき姿を追求して生まれたこだわりの逸品です。
単なる昔の塩を再現するのではなく、現代の食文化や健康を考慮し、塩がどうあるべきかを徹底的に研究した結果、誕生したそうです。
この塩は、素材の持つ本来の旨味を最大限に引き出し、料理全般はもちろん、梅干しや味噌、醤油などの加工食品とも抜群の相性を誇ります。
どんな料理にも自然に溶け込み、深い味わいをプラスする「粟国の塩」は、日々の食卓を豊かにしてくれる塩です。
まとめ
天然塩の見分け方は、商品名やキャッチフレーズでは見分けがつきません。
原材料と工程と栄養成分を併せて確認する必要があります。
天然塩の見分け方は、この3つを総合して総合的に判断します。
今回ご紹介したポイントを参考に、あなたにぴったりの天然塩を見つけて、日々の生活に自然の恵みを取り入れてみてください。