みりんは、日本の伝統的な調味料の1つです。
料理に甘みと旨み、そして美しい照りをつけてくれます。
そんな日本料理には定番の調味料ですが、上質のみりんを選ぶコツを知っていますか?
みりん売り場に行くと、本みりんとかみりん風調味料とか、みりんタイプなど種類があってどれを選べばよいのか困ってしまいますよね。
どのみりんを選べばいいのかわからない…
そこで今回は、じっくり熟成させて造られている上質なみりんの選び方についてご紹介します。
- 本来のみりんの選び方のコツ
- おすすめのみりん4選
- みりんの健康効果
記事後半では下記のようなおすすめみりん4つもまとめています。
後半で詳しく説明しているので、ぜひ最後までチェックしてみてください!
みりんは調味料としての役割だけではなく、健康への効果も期待できます。
本来のみりんの選び方を知って、ワンランクアップした料理と健康的な生活を送りたい方のお役に立てれば光栄です。
※「先に、おすすめのみりんについて詳しく知りたい」という人は、〚こちら〛をクリックすると該当箇所に飛べます!
【結論】上質なみりんの選び方
結論から言うと、
品名と原材料で判断します。
この2つの特徴を持ったものが、本来の伝統的なみりんです。
「本みりん」だったらそれでいいのかしら…?
「本みりん」と書いていたら全て本来のみりんなのかというと、そうではありません
なぜならば、「本みりん」には伝統的製法の本みりんと、標準的製法の本みりんがあるからです。
やはりより美味しくて、無添加なのは伝統的な製法の本みりんです。
品名が「本みりん」 かつ 原材料が「もち米、米麹、本格焼酎」と2つ併せて確認してください。
【解説】上質なみりんの選び方
それでは、本来のみりんの見分け方について詳しく解説していきます。
大きく2つのポイントを確認してね!
製造方法
選んでほしいのは「本みりん」のうち、伝統的な製法で造られた方の「本みりん」です。
みりんの種類は4つあります。
伝統的な本みりんと、標準的な本みりんはどちらも品名に「本みりん」と書かれています。
伝統的な本みりんなのか、標準的な本みりんなのかは、原材料も併せて確認する必要があります。
下記の表に製造方法についてまとめてみました。
原材料 | アルコール | 特徴 | 味 | |
---|---|---|---|---|
伝統的な本みりん | もち米、米麹、本格焼酎 | 14%程度の酒類 | ・伝統的な製法 ・じっくり熟成 | ・深い甘みとコク ・熟成された複雑な味わい |
標準的な本みりん | もち米、米麹、醸造用アルコール、糖類 | 14%程度の酒類 | ・戦後の米不足の時に開発された ・短期間で約3倍できる | ・甘みが強い ・伝統的な本みりんより軽い味わい |
みりん風調味料 | 醸造調味料、醸造酢、酸味料などの化学調味料 | 1%未満で酒類ではない | ・みりんのような味わいを人工的に再現 ・安価だが化学調味料も使われている | ・甘みが強い ・あまり美味しくない |
みりんタイプ | 醸造調味料、水あめ、食塩、アミノ酸や酸味料などの化学調味料 | 10%前後だが食塩が使われているので酒類ではなく調味料 | ・みりんを目指して造られている ・食塩が入っている | ・甘みが強い ・あまり美味しくない |
※表の「味」には、筆者の主観も含まれています。
4種類は何が違うのか、それぞれのみりんについてご紹介します
伝統的な本みりん
伝統的な本みりんは、昔ながらの製法でじっくり熟成させて造られます。
原材料は、もち米、米麹、本格焼酎です。
アルコールは14%程度で酒類に分類されます。
飲んでみても美味しく、料理に使うと深みもあり上品な甘さになります。
酒類とは、アルコール度数が1度以上のものを指し、酒税がかかります
標準的な本みりん
標準的な本みりんは、戦後の米不足の時に開発された製法です。
原材料は、もち米、米麹、醸造用アルコール、糖類です。
醸造用アルコールと糖類を使うことで、伝統的な本みりんと比べて、同じ量のもち米から約3倍のみりんを短期間で造ることが可能です。
醸造用アルコールとは、サトウキビやトウモロコシなどを原料に高濃度のアルコール(エタノール)を取り出したものです。味や風味はほとんどありません。
醸造用アルコールを使う標準的な本みりんには、水あめなどの糖類が入っていますが、それは醸造用アルコールには味や風味がほとんどないからです。
アルコールは14%程度で酒類に分類されます。
糖類が添加されているので、伝統的な本みりんと比べて甘さは強いのですが、味は落ちます。
みりん風調味料
「みりんのような味わい」を安価で実現するために造られた調味料です。
原材料は醸造用調味料、醸造酢と酸味料などの化学調味料で造られています。
アルコールは1%未満なので酒類ではありません。
みりんに寄せていますが、美味しくはありません…
醸造用調味料とは、米、麦、トウモロコシなど、米以外の原料からも造られる発酵調味料です。
醸造用調味料にも酸味料や化学物質が入っていたりします。
みりんタイプ
本みりんを目指して造られます。
みりん風調味料との違いは食塩が使われていることです。
原材料は、水あめ、醸造調味料、食塩、酸味料やアミノ酸などの化学調味料などです。
アルコールは10%前後くらいですが、食塩が含まれているので酒類には分類されません。
アルコールが1%以上でも、食塩が含まれていると調味料の分類になるそうです
まとめ:製造方法
製造方法は、
以上の4種類です。
栄養面にも優れ、味わいも良く、無添加なのは伝統的な本みりんだけです。
品名には『本みりん』としか記載されていないので、それだけでは判断が難しいですが、原材料を確認し、『もち米、米麹、本格焼酎』だけで造られていれば、伝統的な本みりんと判断してよいと思います。
次は原材料について紹介します!
原材料
次に原材料について解説していきます。
それでは、順番に確認していきましょう!
もち米
現在、日本の自給率は38%程度ととても低いのですが、米は100%近い自給率です。
国産だから絶対安心というわけではありませんが、国産はポストハーベストや遺伝子組み換えゲノム編集作物はほとんどないので、外国産よりはましだと思います。
国産か有機国産のもち米を選ぶと良いでしょう。
どこ産のもち米なのかは原材料の()内に記載してあります。
ゲノム編集は遺伝子組み換え作物と同様、どのような危険性があるのかは、これから明らかになってくると思います。
また、日本では認可されていますが、今のところほとんど作られていません。
ちなみに、遺伝子組み換え作物は、現在のところ日本ではほとんど作られていません
米麹
米は国産のものが手に入りやすいため、米麹も比較的国産米で作られたものが手に入りやすいと思います
もち米と同様に、国産米または有機国産米を使った米麹を選ぶと良いでしょう。
米麹とは、蒸した米に、日本の伝統的な発酵食品の製造に用いられるカビの一種である麹菌を繁殖させたもの。
米麹にはアミノ酸、ビタミンB群、ミネラルなどが豊富に含まれており、消化吸収を助けたり、腸内環境を整える効果が期待されています。
本格焼酎
伝統的な本みりんと標準的な本みりんの違いの一つは、本格的な焼酎を使っているか、醸造用アルコールを使っているかです。
本格的な焼酎は、米などを伝統的な製法で造られており、原料の風味や旨味が残っているため、料理に深みや旨味が加わります。
一方、醸造用アルコールは、サトウキビやトウモロコシなどを原料に高濃度のアルコールを取り出したもので、味や風味はほとんどありません。そのため、醸造用アルコールを使用した標準的な本みりんには、水あめなどの糖類が加えられることがあります。
本格焼酎を使用したみりんを選ぶと、より良い風味が楽しめると思います。
パッケージには「本格焼酎」「焼酎」「米焼酎」などと記載されていることがあります。また、こだわりのあるみりんでは、焼酎が国産であることが明記されている場合もあります。
焼酎の原料にこだわりたい場合は、国産原料の焼酎を選ぶのがおすすめです。
なお、焼酎の( )内に「国内製造」と書かれている場合もあります。
「国内製造」とは、国内で製造されたことを意味します。
ただし、原料が国産であるか外国産であるかにかかわらず、国内で製造されていれば「国内製造」と記載できます。そのため、「国内製造」と書かれていても、原料が国産なのか外国産なのかは分からない場合があります。
どこの産地の原料なのか確認する習慣をつけると良いかもしれません
まとめ:原材料
原材料が「もち米、米麹、本格焼酎」だけで造られているみりんを選びましょう。
日本の食料自給率は約38%ですが、米に関しては自給率が高いため、国産のもち米や米麹を使ったものは比較的見つけやすいと思います。
「国内製造」と記載されていることがありますが、これは文字通り国内で製造されたことを意味します。ただし、原料がどこの産地なのかまでは分かりません。
国産または有機国産の原料を使い、本格焼酎、焼酎、米焼酎などの表記があり、本格焼酎を使用していることが確認できるものを選ぶと良いでしょう。
・原材料は「もち米、米麹、本格焼酎」のものを選ぶ
・可能なら国産か有機国産
おすすめの本みりん!4選
ここまで、本格的な上質みりんの見分け方について解説してきました。
スーパーでは、標準的な本みりんやみりん風調味料、みりんタイプが多く、伝統的な本みりんは数が少ないと思いますので、おすすめの伝統的な本みりん4つご紹介します
おすすめの本みりん①
1つ目は、角谷文治郎商店の「有機三州味醂」です。
原材料:有機もち米、有機米麹、有機米焼酎
国産有機米を使用し、自社製造の焼酎を用いた伝統的な製法で醸造されています。
創業以来、お米のおいしさを最大限に引き出す製造方法を守り続けており、自然な甘さ・旨み、香り豊かな味わいが特徴です。
おすすめの本みりん②
2つ目は、愛櫻の「古式三河仕込 愛櫻 純米本みりん一年熟成」です。
原材料:もち米(愛知県三河産)、米こうじ(愛知県三河産米)、本格焼酎(国内醸造(三河産))
このみりんは、一度は諦めた創業製法を見事に復活させてつくられました。
また、同社から3年熟成された「古式三河仕込 愛櫻 純米本みりん三年熟成」みりんも販売されています。
伝統製法でじっくりと時間をかけて造られた、濃厚な味わいのあるみりんです。
おすすめの本みりん③
3つ目は、白扇酒造の「福来純「伝統製法」熟成本みりん」です。
原材料:もち米(国産)、米麹(国産米)、米焼酎
昔ながらの伝統的な製法を受け継ぎ、時間と手間を惜しまず大切に作られています。
程よいとろみと、濃くまろやかな甘さが特徴です。
おすすめの本みりん④
4つ目は、九重味淋株式会社の「本みりん 九重櫻」です。
原材料:もち米(国内産)、米こうじ(国内産米)、しょうちゅう(国内製造)
元祖本格三河仕込みで、創業当時から受け継がれる昔ながらの製法により、手間暇をかけてじっくりと醸造されています。
自然な甘みと豊富な旨みが特徴です。
どの製品もとてもおすすめなので、ぜひチェックしてみてください!
まとめ:品名と原材料を確認!
みりんは日本の定番調味料です。みりんを使うことで、料理に甘みや旨味、コクが加わります。
『味醂』と呼ばれるものは、原料や作り方の違いによって4種類に分けられています。
このうち、無添加で造り方にもじっくり時間をかけ、さらに美味しいのは、伝統的な本みりんです。
伝統的な本みりんは、原料を糖化・熟成させるのに時間をかけて造られます。腸内環境を整えたり、エネルギー代謝の促進、美肌効果、抗酸化作用など、健康に役立つ効果も多く期待できます。
味は自然な甘みがあり、コクと旨味、照りを料理に加え、美味しく仕上げることができます。
なお、品名には伝統的な本みりんも標準的な本みりんも「本みりん」と書かれており、見た目では区別がつきません。
伝統的な本みりんを見分けるには、原材料を確認してください。
・原材料が「もち米、米麹、本格焼酎」のみで造られているものが伝統的な本みりん
・可能であれば、国産や有機国産の原料を使用したみりんを選ぶとより良い
私がおすすめしているみりんは下記の4つです。
これらのポイントを参考に、安心な上に美味しい食生活を楽しんでくださいね!